満足感とコスト

-住まいづくりの第一歩-

 

住まいづくりの第一歩     更新履歴

2011年8月20日更新

 

住まいを作る際に大切なことは、満足感を得ることでしょう。
この住まいに対する満足感と住まいを作るコストとの間には関係があるのでしょうか、考えてみましょう。

実際に住まいで満足感を得るのは、どんな瞬間でしょうか。
便利な機能があるから、好きな材料が使ってあるから、広々とした空間など、いろいろありそうです。

しかし、一番大事なことは長く使っていたいと感じる住まいではないでしょうか。
ただ便利なだけ、ただ目立つ空間だけでは、しばらく使っていると飽きてしまいますし、更に新しい製品が出てきたら、逆に古さを強く感じてしまうものです。

このような住まいを建てた始めの時だけに感じる満足感は、結構コストが掛かるものです。
新しい機能を持ったキッチンや浴室などの設備機器は高価ですし、目立つ高級感のある材料も高価なことが多いものです。
ですが高価でコストが掛かるものは、その新鮮さが長持ちしないという欠点も併せ持っている場合が少なくないのです。

愛着を持てる住まい、これは、新しい材料や最新設備などで満たされるわけではありません。
使っていくうちに自分に馴染む、住まいの空間や材料や設備機器が大切なのです。

あまりに綺麗過ぎる材料などは、使っていくうちに傷がついたり変色したりすると、価値が下がって見えます。
最新の設備には、トラブルが発生しやすいという欠点があったり、耐久性が高くないという場合も少なくないのです。

もちろん高級な材料や設備機器は、しっかりした作りで、使っていくうちに体に馴染んでくる物も多くなります。
しかし、コストが高いから馴染みやすいとは限らないのです。
新しい製品に中には、新しさという高いコストをキープする為だけにちょっとだけ中身を替えて、まったくの新製品として発売している製品も少なくないのです。

では、どんな製品が長く使っていくうちに馴染んでくる製品なのでしょうか。
それは、本物で作られている製品や、作り手のこだわりが感じられる製品です。

戦前に作られた昔の小学校の木造校舎は、本物の材料が使ってあるので、今まで残っているような木造校舎には、強い存在感を感じます。
しかし、戦後に作られた新しい材料を使って出来た校舎は、当初は綺麗であっても、30年から40年経過した今では、ぼろぼろになっているものも少なくありませんし、存在感があるというより廃墟に近い印象となってしまいます。

家具にしても、家具職人が丹精込めて作った家具は家具自体に魅力を感じますし、使っていくうちに馴染んできて長持ちします。
しかし工場で大量生産される家具は、見た目は綺麗なのですが、汚れや傷が気になり易く、長持ちしないことが多いものです。

これが本物の材料と人工的な材料と、長い間使い込んだ際の変化を一番良く表している例ではないでしょうか。

住まいに対する満足感は、長く使った後の満足感が大切です。
その為には、作り手のこだわりが強いことや、本物の材料を使うことがポイントになります。

住まいのコストについては、こだわりや本物の材料は高価となる傾向はありますが、ローコストな材料でも本物であれば上手い使い方で馴染んでくるように作れます。
コストが高いから満足感が高いのではなく、こだわりが強いから満足感が高いことの方が遥かに多いのです。
逆に、そのこだわりが嫌いという面も強く出てくる可能性もあるので、自分の好みに合ったこだわりを見つけることが必要になります。

つまり自分に合ったこだわりを見つけることが、住まいづくりの最大のポイントなのです。
そのこだわりにより得られる満足感と住宅を作るコスト自体については、それほど関連はありません。
住宅を依頼するあなたの好みが、住まいにかかるコストに強い関連性があると言い換えることが出来るのです。

高くなってしまう材料が好みであれば、住まいのコストも上昇します。
しかし、比較的安価な材料の中でも、あなたの好みにあった材料で作れば、住まいのコストを抑えることが出来るのです。

   

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